新コーティングシステムの設計の要件

摘要

ある男女の巡り合いが，時としてお互いの人生の転換期を迎えるように，金属やプラスチック成型品などに塗装を施すという被塗物と表面処理との出合いは,われわれ塗料·塗装業界に携わる者にとって,最も関心の高い課題ではないだろうか。 すなわち,被塗物の望む化粧仕上げに対し，機械（または手吹き）·装置を媒介として，塗料を塗り付けて塗膜を形成させる技術の在り方（出合いの調和を図る）が,大いに論じられなければならないのである。 たとえば，軟らくて硬いとか，滑らないのに滑るとか,言葉上の矛盾を被塗当勿の表面に変化を与えることによって解決し，新しい材料として提供できることも多く,こうした論点に立って塗料の開発，塗装技術の向上，環境改善を進めなければならない。 塗装仕上げに求めてくる要件を挙げてみると，たとえば，指定した色に仕上がっているか，艶（つや）はどうか，塗膜の厚みは均一か，塗膜の耐久性はあるか,塗膜品質およびコストが要求通りに適（かな）えられているかどうかなど，実に多岐にわたっている。 それらの要望を的確に判断し，コーティングのプロフェッショナルとして認証されるために，塗料·塗装業界はどんな方法で応（こた）えられるのか。