クロムフリーキャスタブルの開発（第4報）各種アルミナ系キャスタブルの品質評価

摘要

廃棄物溶融炉は高温（1400－1800℃）でアルカリを多く含むスラグが生じ　耐火物に対する侵食が厳しいことによりAl_2O_3－Cr_2O_3質キャスタブルが主として使用されている。しかしCr_2O_3は有害な六価クロムに変化する可能性があり，環境上の観点よりCr_2O_3を含まない耐火物への置き換えが望まれている。これまでクロムフリーキャスタブルは種々の材質の開発が行われており，Al_2O_3－MgO質，MgO－Spinel－ZrO_2質，Al_2O_3－NiO質，の報告が見られる。一方，筆者らはクロムフリーキャスタブルの候補として，Al_2O_3－Y_2O_3質Al_2O_3－Y_2O_3－ZrO_2質，高MgO質キャスタプルの開発結果を報告した。これらの材質については廃棄物溶融炉用としての観点で評価を行ってきた。しかし，Al_2O_3－MgO質及びMgO－Spinel質は製鋼用キャスタブルとして広く使用されている材質である。そこで，廃棄物溶融炉用クロムフリーキャスタブルと製鋼用キャスタブルを双方の評価方法で試験を行い，両者の材質の特性を調べた。