脱VOCに配慮した塗膜硬化乾燥の設計

摘要

工業塗装分野における企業の環境への姿勢と，社会的要請による環境対応の取り組み方は，企業評価の中で大きな要素となりつつある。塗装工場に対するエンジニアリング業務でも，設備計画時に既存の塗装システムと同時に，近い将来へ向けての水性塗装,粉体塗装の導入や切り替えが可能なシステムの要素を考慮し，システムの中にどのように組み込んでゆくかが，計画立案の大きなポイントになってきている。 このことは,必然的に塗装システムの中の1工程である塗装硬化システムについても同様でぁり,脱VOCへの対応力のある乾燥システムが要求されてきている.特に液状型塗装が,水性塗装に切り替わった場合の塗膜硬化システムの重要性,難しさは業界でも皆認識しており，最適システムの設計に苦慮している。 ある調査結果でも,コーティングの種類別の第一研究目標として,水性塗装システムでは今他の塗装システムと同様にコスト削減をトップとして，硬化時間短縮や空気乾燥処方の開発を挙げて，重点目標としている（第1表参照）。