低汚染塗料の開発と市場状況

摘要

外装塗材に低汚染化が叫ばれ始めたのは1990年代前半のことであり,今から約15年前に遡（さかのぼ）る。 従来の塗膜表面は親油性であったが，これを親水性にすることで雨水が汚れを流れ落とし,低汚染を実現したものである。 一般に仕上げ塗材においては，メンテナンスという考えはなく，汚れれば塗り替えるといった認識であった。 ところが,アクリルシリコン樹脂やフッ素樹脂をバインダーに用いた,メンテナンスフリーの超耐久性塗材が出現したことにより,汚染防止に対する要求が高まってきた。 最近では，耐久性の高い製品に限らず，塗財に低汚染性が望まれるようになっている。 このほか近年では,環境問題がクローズアップされ，人体への影響を少なくするような建材が注目を集めるようになっている。 製品の開発は単に低汚染機能だけではなく,人と環境に優しいものという第二段階へと進展してきた。 さらに，この超低汚染機能の付与は，光触媒技術なども加わり，新しい段階に入りつつある。