低熱ポルトランドセメント

摘要

1980年代以降、施工技術の進歩や国家プロジェクトの推進にともない、従来のマスコンクリートの概念を超える巨大コンクリート構造物が数多く建設されるようになりました。 このような構造物では大量のセメントが使用されるため、セメントの水和発熱によるコンクリートの温度ひび割れの防止が重要な課題となります。 このため、従来よりも低発熱のセメントが求められるようになりました。代表的な例としては、明石海峡大橋の橋脚部に使用されたマスコンクリートが挙げられます。その要求スペックは、断熱温度上昇が従来のセメントの半分程度の25℃以下という厳しい値であったため、当時のボルトランドセメントでは到底達成できませんでした。