SNプレート用骨材原料とCaO－AI2O3スラグとの濡れ性評価

摘要

溶鋼の流量制御に用いられるスライディングノズル用プレート（以下SNプレート）耐火物の耐用は，鋼種の影響を強く受けることが知られている。特にCa添加鋼を受鋼すると著しく損耗が大きくなり，、上プレート摺動面の特異な馬蹄形溶損，摺動面の融着剥離，等が代表的な損耗形態として報告されている。特に摺動面の融着剥離現象は，鋳造時にCa成分を含有するスラグ状物質がプレート摺動面に付着し，稼動面で耐火物成分と反応し液相を生成させた後に，冷却固化することで，上下プレートが融着すると考えられている。この融着現象が起きると，開方向への摺動時に摺動面の融着部が剥離し面損傷を生じる，状況によっては摺動不能となる等のトラブルを生じる。本研究では，実機で使用されたSNプレートの解析結果からCaO－Al2O3系スラグとプレート材質との濡れ性に注目し，SNプレートに用いられる骨材原料とCaO－Al2O3系スラグとの濡れ性を調査した。