フッ素化合物による耐火物の損傷

摘要

フッ素化合物処理炉では，フッ素化合物の分解で生じたフッ素系ガス（F_2、HF）が耐火物に損傷を与える。フッ素系ガスはSiO_2やCaOと容易に反応し低沸点物を生成することから純アルミナ質れんがを選定するのが無難である。 しかし，フッ素化合物とアルカリ成分が共存する場合も多く，必ずしも純アルミナ質れんがが万能ではない。 また施工上の制約から不定形耐火物を要望されることもある。 一方，フッ素系ガスと耐火物の反応に関する報告は比較的少なく，これは，フッ素系ガスが有毒で取り扱いにくいことによるものと考えられる。 我々は，フッ素化合物処理炉に多数の使用実績を持ち，実炉使用後材料の解析データを蓄積してきた。 その中から有益な知見を報告する。