反応焼結によるBN-SiC系複合セラミックスの作製

摘要

今回の新しい反応焼結，即ちBC x N ＋x Si→BN＋x SiCなる反応による焼結体に関し，研究を行った結果，次の知見を得た。 ·BCN及び金属Si原料とするBN＋SiC系複合セラミックスの焼結機構は, まず最初にSiが溶融し，その溶融SiがBCNからCを抽出してSiCを形成し，その際放出されたBNは六方品構造となるものと考えられる。 ·ホットプレス焼成することにより組織は非常に緻密化し, 非加圧焼成の場合に比べ、BN結晶は著しく大きく成長した。 ·BCN+Siを出発原料とし，反応によりBN＋SiC複合セラミソクスを得る新しい方法は，従来のBN及びSiCに焼結助剤を加えて焼結させる方法に比べて，コスト的に安価で製造可能である。 ·今回のBCN＋Siからホットプレス焼成で得られたBN＋SiC複合セラミックスの曲げ強度が250Mpa前後であるのに対し，BN及びSiCを助剤を用いて焼成した従来のBN＋SIC接合セラミックスのホットプレス焼成品は125Mpa以下の値であり, 今回の新しい焼結方法によって得られた複合セラミックスの曲げ強度は，従来の焼結法によって得られた複合セラミックスの曲げ強度の約2倍の値を示した。