『大日本窯業協会雑誌に見る耐火物の歴史』XII/明治38年から大正7年までの耐火煉瓦生産統計

摘要

統計資料としては不充分かもしれませんが，当時の耐火煉瓦業界の概要が少しでも理解出来る資料ではないかと思います。 ただし，耐火煉瓦についての考え方が現在とは異なっているようで，現在の耐火物生産統計と同一視は出来ないと思います。 耐火物協会の生産統計資料に造塊煉瓦のみ別資料にまとめられています。 これは以前耐火用品としての名残ではないかと推定しています。 不定形耐火物も耐火煉瓦会社で生産されていましたが，生産統計はありません。 耐火煉瓦会社はこの統計資料のある数量を生産していたのでなく，統計に含まれないモルタル，スタンプ材等不定形耐火物，耐酸煉瓦，レトルト,ノズルストッパー等造塊煉瓦も生産していました。 他に建築用材料（例えば赤煉瓦，テラコッタ）も生産していましたから生産量は多かったと思います。