スポット溶接性に優れた低炭素当量型590～980MPa級合金化溶融亜鉛めっき鋼板

摘要

自動車車体の軽量化，衝突安全性および耐食性の確保を目的とし，高強度合金化溶融亜鉛めっき（GA）鋼板の開発が進められている。 一般にGA鋼板の高強度化は合金元素を多量に添加することで達成されるが，その一方で合金化溶融亜鉛めっき性やスポット溶接性も大きく影響される。 本論文では新しく開発した590－980MPa級GA鋼板の機械的特性とスポット溶接性について述べる。 連続溶融亜鉛めっきラインの熱処理でも強度上昇に最適な合金元素であるMo，Ti，Nbを添加したことで，めっき性を損なわず機械的特性と衝突安全性を従来のdual phase型冷間圧延鋼板と同水準まで改善した。また炭素当量を低減したことでスポット溶接作は改善され，特に溶接部の延性比は著しく向上した。