小学5-6年生への地層の学習--地質標本館での体験

摘要

子どもにとって固体地球科学への興味·関心はどのようにして起こるのであろうか．それには，子どもの岩石，鉱物，化石（特に恐竜）などへの本源的な興味·関心が関わっているように感ずる．これらの興味は多くの場合，テレビ，本などを通したものであろうが，そのほか砂遊びや家族などと行った旅行，キャンプ，川遊びなどの自然体験とも関わっていると思われる．このような体験を伴った興味や関心は皮膚感覚に残るので，大人になっても根元的な好奇心として残ると思われる．また，子どもの自然認識はローカルな自己体験から出発するものの，その後，成長するにつれて自分自身の世界観·歴史観を広げたいという欲求から，郷土にとどまらず世界へと宇宙へと広がっていく．このような体験を通して，地形や地層の多様性や共通性を認識するようになっていくと考えられる．