「津波てんでんこ　近代日本の津波史」

摘要

最近，地球科学から防災に向けた助言や提案が求められる機会が多くなってきたと感じます.その背景には，大地震や火山噴火といった地球の営みに伴う自然災害による被害を軽減するため，地球科学を1つの基礎として社会全体で災害に対応すべきという合意が形成されつつある(復活しつつある)ことがあげられるのではか)でしょうか.しかし，専門家集団に人間や社会に対する見識と洞察を欠くなら，主張が社会に受け入れられにくいことも事実です.そこに単なる専門知識や技術の断片集ではない，防災地学の難しさと面白さがあると感じるのは，私だけではないでしょう.