潜頭黒鉱々床の発見について

摘要

私は，修士課程終了後の1967年に同和鉱業（株）に入社した．理由は，学生時代から黒鉱々床（*1）を中心とした鉱床学を勉強してきたので，国内の主要黒鉱々床を経営していた同社に就職を決めた訳である．1969年から71年までの2年間はボリビアで，1974年から77年までの3年間はイランで駐在員として勤務したが，1982年中央研究所に異動するまでの約15年間は，鉱山現場と海外駐在員事務所に勤務したことになる．1982年以後は，研究開発に取り組み，現在の同社塩尻工場の前身である（株）メタックス電子·八王子工場を新規事業として立ち上げ，23ヶ月目に黒字化に成功したが，なぜか24ヶ月目に突然その工場長の職を解任された．これは換言すれば，22ヶ月は赤字が続いたことになり，解任の口実を与えてしまったということにもなる．1989年のことである．それ以降は，深海鉱物資源開発（株），同和工営（株），新エネルギー財団に出向させられ，探鉱につき知恵をしぼる立場でもなく，またそのような時間的余裕もなかった．