新しいコンセプトによる20万分の1日本シームレス地質図~（TM）

摘要

日本シームレス地質図は，まだ発展途上の地質図である。たぶん終わりのない旅の始まりと言ってよい。 20万分の1縮尺の地質図幅がほぼ全国で完成したこと，地理情報システムや数値地質図が普及してきたこと，独立行政法人として社会に役立つ地質情報整備を推進しはじめたこと，これらのことが相まって，日本シームレス地質図は生まれた．従来型の地質図であれば牒本シームレス地質図の全国版完成は、ある意味の到達点であり，ここで一息ついて，次は10年後か，20年後にがんばろう，ということになる．しかし，デジタル情報としての地質図は，常時更新が可能であり，更新した情報をすぐにWeb上で公開できる，もう一つ重要な点は，著作権上の許諾を得た上で，土木地質図や地方自治体の地質図を取り込み，産業技術総合研究所地質調査総合センターだけではなく，オールジャパンで，地質図編集に取り組んでいる点である。 特に土木地質図では，日本シームレス地質図の情報を新たな土木地質図編集に使ってもらうなど，相互利用を進めている．国土の基盤情報として，省庁を超えて，最新の地質情報を国民に伝え，それぞれの表現方法で，国民のニーズに応えていく体制がやっと整ってきている．