富士山--その心象風景と古地図に見る表現

摘要

地質標本館の特別展「富士山-過去·現在·未来」会場で，「富士見十三州輿地全図」（口絵2貢と第8図）が正面入り口奥の床面に展示されました．地図には，江戸時代後期の村々の名称や街道筋が克明に描かれており，会期の前半が夏休みだったこともあって、子供達れなどで，150年ほど前の近郊の状況を想像しつつ見入っておられる訪問者も多く見受けられました（第1図）．ここでは，この展示を契機に，江戸時代後期を中心として，富士山についての人々の認識と当時の地図表現について紹介します．