2003年7月26日宮城県北部の地震の被害と液状化現象

摘要

近い将来，宮城県沖地震が高い確率で発生することが政府の地震調査研究推進本部によって予測されている．そのためもあって，5月26日宮城県沖の地震と7月26日宮城県北部の地震について，研究機関，関連学会の対応が早く，建築·土木，地震等の分野を中心に多くの調査·研究がなされた．その成果も翌日にはインターネットを通じて調査結果が紹介されるなど迅速な状況把握に大いに貢献した．地質調査総合センターとしても本号での災害調査レポートにある通り，地質学的視点からの地震被害調査として，社会に情報を発信することができるように取り組んだ．今後，地震被害対策に貢献できるように，顕著な液状化被害を受けた鳴瀬町牛網·浜市地区において引き続き詳細な調査を実施する予定である．本調査にあたり，貴重な資料の提供を受けました鳴瀬町，石巻市，矢本町の各役場，宮城県東部下水道事務所，石巻産業振興事務所の方々には厚くお礼申し上げます．最後に今回の地震により被災された方々に心からお見舞い申し上げます．