中国におけるファッションビジネス教育のあり方　第2回一上海棄華大学における実験講座を中心にして－

摘要

前号では、中国上海での実験講座の概略を紹介したが、本号ではワークショップの具体的な内容について説明することにしたい。 中国でも、日本のファッションビジネス教育のあり方について、中国の教授たちが日本での留学を通じて知識移転を積極的に行ってきたが、今回は、日本で体系化した教育力リキュラムを開発した当事者が、自ら、中国の大学院のカリキュラムに沿って知識移転を図った、という点を本稿で中心にまとめた。本来、ファッションビジネスは極めて実践的な実務なので、単なるアカデミックな知識レベルの移転では中国の産業基盤にとってあまり役立たない。 むしろ、必要なのは、業務を担当する責任者の力量を高めるスキルなり能力のレベルアップにつながる教育である。 例えば、ブランディングに責任を持つブランド·マネジャーの業務を如何にすれば中国の実務担当者に知識移転ができるか、という点である。 今回は大学院生を対象にワークショップを通じて知識移転に関する実験講座を行った。 本号ではその経緯を中心に報告することにした。