2007年の回顧孝2008年の市況展望－アジア主要国の合繊需給－

摘要

世界経済に減速懸念が出ている。米国のサフプライムローン問題が実体経済に影響を与え、原油·商品高も懸念材料となっている。①日本は、02年2月に始まった今回の景気拡大局面がなお続くが、その持続に試練の時を迎えつつある。 ②アジアは、中国とインドの息の長い高成長が全体水準を底上け、5年連続7％以上の成長を達成してき　 たが、今年は欧米景気の減速懸念で影響を受けそうだ。 ③アメリカ経済における金融·住宅の不安は根強く、原油·商品高の懸念も浮上、景気減速（腰折れ）のリスクは高い。 ④EUは、米国のサフプライム問題に加えて、ユーロ高で成長減速は避けられないやWTOの多角的通商交渉（ドーハラウンド）の凍結を受け、FTA·EPAの交渉が加速している。 日本も新しい段階に入った。 原油価格と金価格の上昇か止まらない。 投機が加速して高値の連鎖が続いている。 原油90＄／バレル台、ナフサ800＄／kt台など基礎物資の高騰に歯止めがかからず、合繊業界は新価格体系の構築が喫緊の課題となっている。