世界における労働安全衛生管理の新たな潮流

摘要

1990年代から、ISO品質マネジメントシステム（ISO9000シリーズ）および環境マネジメントシステム（ISO14000シリーズ）が世界各国で脚光を浴びてきている。 こうした中、ISOにより労働安全衛生マネジメントシステム（OSH－MS）の標準化に関するワークショップが1996年に開催された。 このワークショップではISOではなく政労使三者構成のILO（国際労働機関）による国際文書の策定が望ましいとする意見が大勢を占め、これを受けてILOは、98年に各国でのOSH－MSの取り組みについて調査を行い、ILOガイドライン"ILO／OSH2001"の素案を策定した。 この素案はさまざまな形で行われた協議を経て改定され、2001年4月に開催された三者構成専門家会議で審議·採択され、6月のILO理事会により出版が承認されたところである。