傾斜円管内気液上昇流の流動形態と気体の上昇速度に及ぼす濡れ性の影響

摘要

気液二相流は空調機器や熱交換器といった様々な機器やプラントにおいて見られることから、これまでに機械工学、化学工学、原子力工学などの分野では円管内の気液二相流の研究が広く行われてきた。過去の研究の大部分は濡れ性の良い垂直、水平円管内の流動に関するものであり、流動様式をはじめ、ボイド率、圧力損失、熱伝達係数、ホールドアップなどが研究対象になっている。 また最近、垂直、水平円管内気液二相流におよぼす濡れ性の影響についてもいくつかの研究がなされている。 しかしながら、傾斜管流動に関する研究は比較的少なく、濡れ性の影響については著者らの知る限り報告されていない。そこで本研究では、鉛直力向から45°傾斜した円管内気液上昇流において、水およびガスの流量、濡れ性、管内径が流動様式および気泡とスラグの上昇速度に及ぼす影響を調査することを目的とした。