ぬれが及ぼす微細構造体における吸着力·接着力の評価と課題

摘要

これらの現象は粘着材とは一見異なるようであるが，液体が固体表面にぬれていく過程で生じる力という意味では共通点も多い。しかし，一方では粘着材のように基材の負荷状態や変形も考慮した上で確実に接着力を発揮することが求められているのに対し，他方では設計通りの構造体を製造するために吸着力を最小限に抑えなければならない。したがって，構造体の負荷状態や変形を考慮したうえで，液体のぬれによる接着力·吸着力を用途に応じて適切に制御することが求められている。当研究室では，これらの力学的なモデル化と評価手法の確立に取り組んでいる。本稿では，粘着材のはく離現象，ピラー構造体の吸着現象に対して検討を行ったので，それぞれについて報告する。