［招待講演］高分子材料の二次元赤外相関解析

摘要

赤外分光法は，官能基の存在だけでなく，その官能基がおかれている微視的な状態についても詳細に教えてくれる．赤外スペクトルの測定は比較的簡便であり，測定装置（FT-IR）も普及しているが，そのスペクトル形状は複雑で，得られたチャートから分子情報を正確に読み取ることは容易ではない．実験によって得られた分析チャートをコンピューター解析するための様々なツールが知られているが，本講演ではその中で，二次元相関法と呼ばれる解析手法を紹介する．また，実際に高分子材料の赤外スペクトルを二次元相関解析した事例を示し，どのような分子情報が得られるかを述べる．