特集号に寄せて

摘要

クリントン米大統領が2001会計年度の予算教書において，ナノテクノロジーの研究に力を注ぐことを前面に打ち出して以来，ナノテクノロジーが急速に注目を集めている。 これは，「ナノスケールで原子，分子を操作·制御し，ナノサイズ特有の特性を利用して新しい機能，新しい特性を引き出す技術」と定義され（川合阪大教授による），身の回りの様々なものに変革をもたらすこきが期待されている。また，2001年より発足した第2次科学技術基本計画では，従来のライフサイエンス，情報通信，環境·エネルギーに加え，ナノテクノロジー·材料分野が重点分野となった。 ナノテクノロジーは，科学としての重要性は勿論のこと，ライフサイエンス，情報通信，環境·エネルギーを支えるキーテクノロジーとも位置付けられている。 ナノスケールの科学の歴史は，コロイド科学に発し，現在も1つの大きな柱であるといっても過言ではない。