金属フラーレンLa@C_(82)アニオンの特異な性質

摘要

分子内に金属原子を持つフラ叫レンは発見以来非常に注目されているが、その一つ、M＠C_(82)（M＝三族またはランタノイド系列の金属原子）は単離·精製はできても空気中では不安定であった。しかし、ここに述べるLa@C_(82)は水または空気中でも安定であるという独特の性質を持っており、そのアニオンとカチオンも単離精製可能であり反磁性を示した。 La＠C_(82)（ー）の王Rスペクトルの測定では、4ヶ月放置したものや、170℃で20分加熱したもの、400nmの光を照射したもの、P監a≦4の酸に溶かしたものについても全くスペクトルは変わらず、この物質の高い安定性も確認されている。 C_(82)には9つの異性体が知られているが、随を取り込みやすいのはC2に分類されるものである。 しかし、その他（C_(2v,C_(3V),C_s）の異性体は、Laに3電子を与えることができるため、最近はこちらの状態に興味が持たれている。 Figure2 には125MHzでのLa@C_(82）の13 CNMRスペクトルで、大きな17本のピークとその半分の長さの7本のピークが存在し、このLa＠C_(82)がC_(2v)対称であることがよく分かる。