Dy L_(III)吸収端EXAFSを用いたDy＠C_（82）準安産異性体申におけるDyイオンの位置決定

摘要

金属フラーレン中の金属イオン位置を決定することは金属フラーレンの電子的性質がケージ対称性と同じくフラーレンケージ内部の金属イオンの位置により影響を受けることから非常に重要である。 M＠C_(82)（内包金属原子の価数が+3）の主異性体（異性体I）の対称性は~(13)c-NMR測産からC_(2v)対称をもつことが明らかになっている。 一方で、観測されている唯一の準安定異性体（異性体II)は同じく~(13)c-NMR測定からC_s対称をもつと報告されている。孤立五員環別を満たす3つのC_s対称C_(82)~(3-)（a-c）の中で、最も安産な構造は理論計算から（c）構造であると予測されている。 加えで、この準安産異性体申の金属イオンの最も安定な位置はC_s（c）-C_(82)ケージ申の2つの六員環が隣り合っている結合部分近くに金属イオンが存在することを予測している。 本報では内包Dy原子の価数が＋3と決定されているDy＠C_(82)の準安定異性体についでEXAFS測定からDyイオンに関する情報を得たので報告する。