多色塗装における色のにじみ現象に関する研究

摘要

色の異なる塗液がウエット状態で接した場合、その塗液境界で生じるにじみ（色混ぎり）現象に関して、支配要因を明らかにし、改良指針を得るための検討を行った。 その結果、にじみ部位の断面形状は、塗液が重なり合った勾配型、くさび形のいずれかの形状を示し、その重なり合いの形態は、塗液の表面張力の影響が大きく、表面張力の大きな塗液が下側に移行することがわかった。また、表面の混合状態は、低シェア時の粘度差に依存し、粘度差が小さい場合は、グラデーション状の表面形状を、粘度差が大きい場合は、不規則な進入混合状の表面形状を示した。 その塗液の移行幅は、表面張力、低シェア粘度、弾性に依存し、それらの差が大きい程、移行幅も大きい事がわかった。 以上より表面張力の差、粘弾性の差を小さくする事により、色にじみは低減できることがわかった。