新時代のチーム医療の担い手を育てる6年制薬学教育

摘要

医療構造の変革により，病院?薬局の薬剤師が，薬物治療の効果や副作用モニタリングを自ら確 認し，病院では処方提案も行い，高度医療，急性期医療へも参加すること，地域ではプライマリケ ァの担い手としてセルフメディケーシヨンを支援し，在宅医療に加わることが求められている.こ うした薬剤師の新たな活動の多くは，多職種が連携?協調し，情報の共有と十分な討議により患者 中心の最善の医療を協力して実施するチーム医療が前提となっている.しかしながら，従来の病院 や地域の医療は，必ずしもチーム医療のスタイルが標準ではなく，むしろ職種別に専門分ィ匕した分 担医療であつたと感じられる.その大きな原因として，医?歯?薬?看護などの医療系大学教育に おいて，各学部の専門性に特化した教育が中心で，チーム医療学習は積極的には実施されず，チー ム医療を志向した参加型の学部カリキュラムは全国的にもまれであったことが挙げられる.