テルペン頬の全合成　骨格形成法の新展開

摘要

テルペン（あるいはテルぺノイド）は植物や菌類などによって作り出される天然有機化合物である．「テルペン」の語源はテレビン油であるが，テレビン泊に限らず多くの植物精油の主成分である．テルペンは2つ以上のイソプレン（C5）を構成単位とする炭素骨格を持つため，構成単位となるイソプレンの数に応じて分類されており，モノテルペン（C10），セスキテルペン（C15），ジテルペン（C20），セスタテルペン（C25），トリテルペン（C30）などと呼ばれている．モノテルペンはバラや柑橘類のような芳香を持つ．香り以外にもテルペンには生体において重要な役割を担っている化合物が多い．特に，セスキテルペンより大きなテルペン類には顕著な生物活性を示す化合物が多数知られている．