SSR,用の妊婦に対する薬剤師の関わり

摘要

【患者背景】27歳，女性，うつ病，妊娠24週【現病歴】2年前より，うつ病のためセルトラリンを服用していた。妊娠6週で妊娠が判明してからは，セルト ラリンの服用を自己判断で中止していた。妊娠20週を過 ぎたころから，うつ病の悪化がみられ，薬剤の服用の再 開について検討するため，当院の「妊娠とくすり」外来 にてカウンセリングを受けた。【薬学的介入】カウンセリング時の患者には抑うつ状態 がみられ，現在の状態では妊娠継続が困難であると考え られた。妊娠中のセルトラリンの使用に関して，添付文 書上では有益性投与となっている。また，海外での国民 登録データによる疫学研究や前向きコホート研究な どで，妊娠初期にセルトラリンに曝露した児で，先天異 常の発生のリスクは一般集団での発生リスクと差がない ことが報告されている。その一方で，心奇形の上昇に関 連すると報告された疫学研究が1つある。