成人の喘息薬剤師によるファーマシューテイカルケア外来

摘要

喘息は有病率が高く，喘息死や喘息によって学業や就労が障害されることなどの理由により．社会的にも大きな問題となっている。現在，受診患者数は100万人以上，推定患者数は人口の3～5％（300万人以上）に達している。また，2002年には3，769人が喘息で亡くなり，わが国は諸外国に比べ高い死亡率となっている。1993年に日本アレルギー学会によって「喘息予防·管理ガイドライン（以下，ガイドライン）」が提唱されたが，2000年9月の大規模な全国喘息患者電話調査の結果，わが国の喘息のコントロール状況が欧州に比較して悪いことが明らかとなり，わが国の喘息管理の実態は，ガイドラインの目標にはるかに及んでいないことが報告されている。正しい知識の普及，さらに喘息に対する社会意識を高めるため，よりいっそうの教育，啓発の重要性が示唆されている。