不安障害の薬物療法

摘要

不安障害は強い不安により心身に障害をもたらす心因性の精神疾患であり，その概念はまとまっていないものの，一般診療科やプライマリケア領域でもしばしば遭遇する疾患である。不安障害の治療はそれぞれの疾患，患者に応じた選択がなされるが.治療目標は適応状態の改善であり.精神療法を主体に薬物療法を併用するのが一般的である。薬物療法では抗うつ薬(特にSSRI)が不安障害圏の疾患に適応を拡大してきており，近年はSSRIが中心の治療が行われているが.ベンゾジァゼピン系薬の併用もほとんどのケースで行われる。薬剤師には，これらの薬剤の特徴をつかみ.適切な使用状況や副作用状況のモニタリングを行うことだけでなぐ薬物療法のみに頼らずに行動変容を促していけるような全人的関わり方が求められる。