携帯型持続注入ポンプ内の薬液調製と留意点

摘要

近年，生活の質（QOL)を重視した治療の必要性が問われており，がん化学療法においても例外ではない。そこで患者のQOL低下を抑えるために，がん化学療法は入院治療から外来での通院治療へと急速に移行している。その背景には，携帯型持続注入ポンプ（以下，携帯型ポンプ）の普及が要因の一つとしてあげられ，われわれ薬剤師は外来治療に焦点をあわせた杭がん剤の適正使用や副作用対策を担うだけでなく ，携帯型ポンプを熟知したうえで投与方法などに関連する安全管理に積極的に参画することが求められている。そこで本稿では，特に大腸がん領域の外来がん化学療法に沉用される携帯型ポンプを取り扱う際の留意点について，われわれの実験結果を中心にまとめた。