生薬の特性，刻み生薬とエキス製剤の違い

摘要

さまざまな民族において，薬効を期待して伝統的または伝承的に使用されてきた動物·植物·鉱物の自然三界の天産物を生薬という。人々によって絶え間ない親試実験の末に見いだされたもので，全体または一部を簡単な加工を施して用いる。古い時代では「本草」ともいう。漢方や民間療法にはもちろんのこと，西洋医学のなかにも利用されている。一つひとつの生薬にさまざまな作用をもつ多くの成分が含まれているのが生薬の特徴である。広辞苑第6版には「生薬：動植物の部分·細胞内容物·分泌物·抽出物あるいは鉱物で，そのまま薬品として用いあるいは製薬の原料とするもの」とある。