意識下経鼻揷管を施行した小児口腔内穿通性外傷の1症例

摘要

4歳6力月，男児，身長110 cm,体重17 kg出生，既往歴に特記すべきことなし。夜9時ご ろ，一人で歯磨きをしていたところ突然悲鳴が あった。母親が駆けつけると歯ブラシが咽頭に突 き刺さって抜けないため救急隊員を要請し，当院 に搬送された。意識は清明で，バイタルサインに 特記すべき異常はなかった。右扁桃外側から歯ブ ラシが刺入しており，先端のブラシ部分は目視不 能，口腔から柄の部分が数cm飛び出している状 態であった（図1)。X線CT検査では右M桃外側 から副咽頭間隙に達する太さ10 mmの異物を認 め，C2-3椎間右方，頸動脈鞘の5 mm手前まで達 していた（図2-a， b)。耳鼻科医と協議し，全身麻酔下に抜去術が予定された。