補償工事の設計業務における留意点—サイホンェの改修工事を事例として一

摘要

河道移設に伴う補償工事に開連し，農業水利施設の改修設計 を行った。補償対象施設にはスタンス（立場，見地）が異なる 複数の団体が関わる。本事例では河川管理者，サイホンェ管理 者（使用者)，用水路システム設計'施工機関，設計担当のコ ンサルタントが改修設計に関わった。スタンスの違いにより改 修工法決定に臨む観点が異なり，設計の過程ではこれら関係者 が，納得して結論を導くための判断材料が要求される。各者の 求める要点に留意して作業を進めたこと力s，適切な成果を導い たものと考える。本報では，補償工事の設計業務における留意 点を紹介する。