簡略的表現を含む構造物の2次元図面の3次元モデルへの自動変換法（省略図と断面図への適用）

摘要

近年の機械設計におけるCADでは，ソリッドモデラの普及が盛んであるが，例えば架台構造物など，3次元化の費用対効果が少ない製品では，2次元CADは簡略的表現が適用できる点などで有用であり，今後も両者の併用は継続すると考えられる．2次元図面を3次元モデルであるソリッドモデルに自動変換する手法およびシステムの開発は，古くから行われてきたが，2次元図面の多様性において，計算処理上では不都合な点が多過ぎるため，市販されたシステムがいくつかあるものの，広く普及されるまでには至っていない．一般的な自動変換の方法においては，三面図の各面図（正面図，平面図，側面図）間での線分の組合せより，3次元のワイヤフレームモデル，サーフェスモデルを順次作成する．各ワイヤ（稜線）やサーフェス（面分）には，対象物において，実在する真のものと，実在しない偽のものがあるので，これらの真偽を探索的に判別することで，解であるソリッドモデルを生成する．また，面分で囲まれた閉領域を，個々のブロックとして認識すると，解が効率的に探索できる．