自動車におけるドア閉め音の音質評価（第2報：ドア閉め音の音質目標設定法の検討）

摘要

本報では，一対比較法による聴き取り調査を行い，被験者の嗜好性を調査する．自動車設計に関する嗜好性の研究については従来から行われているが，本論文では，さらに嗜好性とドア閉め音の質感とを関連付けることで，ユーザが求めているドア閉め音を音質空間内で二次元的な範囲として表現できるようにする．これによって，具体的な数値目標が設定されるので，新型車の開発段階におけるドア閉め音の目標設定や改良すべき物理量を明確にすることができ，試行錯誤による対応が少なくなるので，設計時に必要とされる時間とコストの削減になると期待される．以下に，その過程と結果について報告する．