風況観測用の新しい測器－超音波風速計とドップラーソーダ

摘要

近年、日本各地で風車の建設が進んでいるが、複雑地形である山岳地への立地も多くなってきており風車を取り巻く乱流が風車の発電効率や寿命などの風車性能に大きな影響を及ぼすようになってきている。 また風力発電の規模が大きくなるとともに風車が大型化し、従来から行われてきた高さ10～30mでの風況観測では不充分となってきている。 このような状況において、従来から用いられてきた風杯型風速計と矢羽式風向計に替わって乱流観測に適した超音波風速計と高度100～200mまでの風向風速分布を観測鉄塔を建てずに地上からリモートセンシングできるドップラーソーダが注目されてきている。 本稿ではこれらの2機種（超音波風速計とドップラーソーダ）について、測定原理、用途、風況調査に用いる場合の利点と留意点などについて紹介する。