ユビキタスパワーレーザーに向けた1Jx300Hz小型LD励起セラミックスレーザーの開発

摘要

現在，このようなパワーレーザーは理科学研究用では開発されている［5］ものの，産業用途を指向した小型で制御性に優れたレーザーシステムは例がない．国際的に激しさを増しているレーザー開発において高い競争力を維持するためには，このユビキタスパワーレーザーの開発が急務となっている．将来このようなパワーレーザーシステムが実現し普及すれば，製造分野だけでなく，創薬や触媒などの研究開発が飛躍的に進展し，産業イノベーションの創出につながる可能性がある［6］．我々は，小型·高出力なパワーレーザーとしてパルスエネルギー1J，繰り返し率300Hzの半導体レーザー（LD）励起セラミックレーザーの開発を開始した．高出力化と小型化および低コスト化の鍵となるのが励起源となる高出力LDである．そこで本稿では，小型·高出力Nd：YAGレーザーシステムと励起用の高出力LDの開発状況について述べるとともに，今後の予定について報告する．