AUGT（自動運転システムの安全）とUGTMS（都市交通の管理,制御,指令システム）規格の動向

摘要

AUGT規格もUGTMS規格もどちらも，ヨーロッパから提案された規格提案であり，2001年から審議を開始している．これらの提案は，ヨーロッパ流の考え方に基づく自動，無人運転の安全性要件や，都市交通システムの管理，制御，指令の機能要件を定めようとするもので，独自に安全性，信頼性を確保している日本とは相容れない内容も多く，妥協を見いだすのに多くの労力を要したが，ようやく，規格化(AUGT)，Part3への進展(UGTMS)が見えてきたところである．こうしたヨーロッパの規格提案の流れに対して，日本では，個別に，日本の技術が，提案されている規格の内容に適合しているかを判断して，妥協案を探り，提案規格と矛盾しないことを主眼に対応しており，ある程度の成功を収めている．しかし，ますます増加する規格提案に対しては，さらなる日本側の体制強化が必要であり，現在，国土交通省を中心に，その体制強化を図っているところである．本稿では，これらの規格の成立の概要と，こうした国際規格に対する日本の今後の相応しい対応について述べる．