鉄道技術の海外展開：北京地下鉄5号線TP4000系電車概要（上）

摘要

中国の首都北京市は2008年の北京オリンピック開催に向けて，その関連設備の拡充整備を進めている．交通関連整備としては，空港，鉄道，道路などがあるが，その中核の一つが北京市内の都市内軌道交通網の整備である．現在，北京市の都市軌道交通は，天安門を東西に貫く1号線，中心部環状線の2号線，1号線の東に続く八通線および北西部の学園地域や北部·北東部の住宅地域を結ぶ13号線の4路線が営業している．この116.9kmに加えて，今回紹介する5号線：27.6km，北部·北東部環状線10号線（オリンピック支線：5.91km含む）30.47km，西部·北西部4号線：28.14kmの3路線が北京オリンピックの開催に合わせて建設中である．5号線はこの北京オリンピック開催に合わせて建設開業する最初の地下鉄である．このほか，北京市の空の玄関である北京首都国際空港第2·3ターミナルから北京市内までの空港線の整備，および北京市への都市間鉄道では，時速200キロの高速列車網を整備する．本記事は，中国政府·北京市政府がオリンピック開催対応として力を入れ注目している北京地下鉄5号線を走る車両の基本設計と技術的な特徴を紹介するものである．