私とねじ産業の歩み

摘要

ねじ業界は、一般産業界の好況に支えられ、今日の発展を遂げた産業であるといわれている。見方を変えれば、産業界の高度成長を陰で支えた、ねじ業界の貢献及び業績は、計り知れないものがある。何故なら、ねじ業界は一つの産業として独立し、内外の先端技術情報を常に知りうる環境にあって、産業界の技術革新に遅れることなく、新技術、新製品を提供し、その発展に大きな役割を果たしてきたと確信するからである。一般に軽視しがちな“ねじ”であるが、ねじのない世界は考えられない程、私たちの日常生活に密着していて、その普及は目覚ましいものであり、ねじを知らない日本人は幼児ぐらいである。今日のねじは、機械要素部品として自動車、電気機器などの基幹産業で生産される製品の締結用部品としての使用はもとより、住宅産業の大きな変革など一般住宅から日曜大工用品まで、その使用範囲が広いのが特徴である。このような用途から考えると、ねじは単品として立派な商品であり、商品としての個性もありその用途は無限であると思う。一般に軽視しがちなねじであるが、ねじの業界が歩んだ苦労と発展の一端を紹介する。