翼列フラッターに関する計測技術

摘要

翼列フラッターは圧縮機やタービンの翼列で発生する空力弾性的自励振動現象である。 この不安定振動現象については，1950年頃からジェットエンジン·ガスタービン技術における大きな問題として膨大な研究が行われてきた。 その発生機構や発生限界の予測に関して，様々な研究成果が得られているが，翼列の空力技術の進歩とともに，流れの高速化や複雑化が進み，未解明の振動問題がまた発生して，新たな研究が必要とされるという事態が繰り返されている。 ここでは翼列フラッターの解明に関する実験の手法について，最近の動向を交えて若干の紹介を行いたい。 学術的な見地から，現象解明を意図した基礎的な実験方法に的をあてることとする。 フラッター現象の基本的な事柄や古典的な実験法に関しては優れた文献が多くあるので，それらを参照いただけると幸いである。