新しい概念に基づく高温タービンディスク用Ni-Co基超合金の開発

摘要

民間航空機エンジン開発の重要課題である燃料消費率（SFC）改善に向けてタービン入口温度（TIT）向上や冷却空気量低減を達成するためにタービンデイスク材料の耐用温度の向上が求められている。タービンディスク用超耐熱合金はこれまで全て海外で開発されたが，国内で製造可能でコスト的に有利な鍛造合金の耐用温度は1980年代以降改善されておらず，耐用温度向上のためには粉末冶金合金を使用するのが趨勢となっている。（独）物質·材料研究機構（NIMS）では新しい概念にもとづいて世界最高の耐熱特性を持ち粉末冶金合金に匹敵するNi-Co基鍛造合金（TMW合金）を開発した。本稿では高温タービンディスク用超耐熱合金の開発動向，NIMSにおけるTMW合金の開発，そしてNEDOプロジェク、トで行ったTMW合金の実規模ディスク模擬形状品の試作·評価の結果について述べる。