燃料を創る：回収,変換そして生産へ

摘要

非在来型の天然ガス資源の出現や，新興国の経済成長などの今後のエネルギー需要の見通しの中で，ガスタービンのニーズはさらに高まると予想される．ガスタービンは，エクセルギ効率の高い動力システムであり，他プロセスとの組み合わせによりシステム全体の効率を飛躍的に向上させることができる。コージェネレーションやコンバインドサイクルが典型的な例であるが，より効率的なシステム構築には，熱のやり取りを発展させ，原料や燃料をガスタービンとプロセスとの間でやり取りする，より強いカップリングに発展させることが必要である。そのためには，ガスタービンに適合可能な燃料種を拡大することに加えて，適用可能な燃料を創ることが重要である。本稿では，ガスタービンの燃料を創るという観点で，未利用エネルギー源について，回収による燃料化としてVOC （Volatile Organic Compounds）回収型ガスタービンシステム，変換による燃料化として二塔式流動層ガス化炉，そして再生可能エネルギー源によるガスタービン燃科製造ということで，藻類によるバイオジェット燃料製造技術開発の概要について紹介する。