排熱発電装置の開発

摘要

本稿では，排熱利用技術の一環として，80～90℃程度の温水排熱を熱源にした発電装置の開発について紹介する。 本発電装置は，工場からの排熱，ディーゼルエンジンのジャケット温水，あるいは温水取出型マイクロガスタービンの給湯不要時の温水利用などをターゲットにしたものである。 エンジン発電装置は市場でのストック台数が多く，さらにラジエータ温水を冷却装置すなわち電気を使ってまで放熱していることも，温水排熱駆動の発電装置開発の理由である。 これまでにも，排熱を利用する発電装置は各種開発されてきたが，装置コストが高いため経済的に成立せず，コスト低減が大きな課題となっていた。 しかし，約10年前から世界的に行われているマイクロガスタービンの陶発により，高速回転装置や発電装置に関する各種新規技術が蓄積され，これらの技術を取り込むことで，温水排熱発電装置のコンパクト化，低コスト化を図ることができ，さらにエネルギー高騰もあって，次第に採算ベースに乗ってくると考えている。