複合発電システムに必要な関連設備：コンバインドサイクル発電用蒸気タービンの特徴

摘要

汽力発電プラントの最も基本的な蒸気タービン（以下，STと略記）のサイクルとして，図1に示す，ランキンサイクルがあげられる。 ランキンサイクルにおいては，ボイラ④で発生した蒸気がタービン①に導かれ膨張して仕事をし，タービンから排出された蒸気は復水器②で冷却されて飽和水となり，給水ポンプ③で昇圧されて，再びボイラに導かれる。ランキンサイクルを基本として，効率を向上させたものに，再熱サイクルと再生サイクルがある。再熱サイクルは，図1に示すように，タービン膨張過程の蒸気をボイラにおける再熱器で再熱し①’，再びタービンに戻すものである。これに対して，再生サイクルは，図1の破線で示すように，ランキンサイクルにおけるタービン内膨張過程で，一部の蒸気②’を抽気して，ボイラへの給水加熱として利用するものである。ランキンサイクルに比較して，復水器で冷却水に捨てる熱量が減少し，熱効率が向上する。最近の高温高圧の汽力発電プラントでは，再熱サイクルと再生サイクルを組み合わせた再熱再生サイクルを導入し，熱効率を向上させている。