マルチステージ苗の育苗·移植技術の開発

摘要

昨年11月末に米政策改革大綱が示され，米の生産，流通システムの今後の在り方として，平成22年までに望ましい米生産の方向に改革を進める具体的な行動計画が示された。 米の生産においては法人化などを進め，中核的農家をこれからの担い手とし，農地の集積を図り効率的な稲作経営をを支援する内容である。また，転作の選択と米価変動時の助成金のシステムも変わることから生産者の自己責任によるところが大きくなってくる。 このようなことを踏まえ，乳苗よりも小さな苗（出芽してからどの生育ステージで苗と呼ぶか苗の定義がない）から稚苗程度までの広範な生育ステージの苗を移植できる，いわば直播技術と移植技術を融合させた基盤的な技術開発を進めている。 言い換えるとどこまで小さな苗を移植できるか，移植側からの直播への接近でもある。研究はまだ緒に就いたばかりではあるが，その構想と若干の予備的な試験を行ったので紹介する。