野菜生産の新技術：焼酎原料用サツマイモの畝立同時施肥·施薬作業技術－同時作業により省力·低コスト化

摘要

サツマイモは鹿児島県の畑作農業の基幹作物として，約14,000ha栽培されている。これまで，でん粉原料用としての需要が最も大きかったが，近年のサツマイモを原料とした焼酎の需要増に伴い，焼酎原料用サツマイモの確保が大きな課題となってきた。収穫面積·規模拡大のためには効率的に植え付けを行う必要があるが，焼酎原料用サツマイモの畝立作業時期である3～5月は，天候不順に加え，他品目（春夏作物）の作付作業等も集中することから，短時間で作業を行う必要がある。加えて，病害虫等の被害がない品質の高い原料が求められることから，土壌消毒，施薬等多くの植付前作業を必要とする（1図）。そこで，植付前に集中する複数の作業を畝立と同時に行う技術を開発したので紹介する。