生産技術の農業応用に関する研究（第3報）－工程分離と外段取りを活用した野菜栽培システムの開発

摘要

近年，国内の自動車·電機·半導体などの大手製造業が，個々の保有する技術を活用して続々と農業分野へと参入している．これら大手製造業による農業分野進出では，大規模な圃場を対象とした自動化やICTを活用した栽培管理システム，および閉鎖型植物工場などに多くの耳目が集まっている．我々は，大手企業から看過されている栽培方式に着目し，通常の施設園芸（ビニールハウスなどを利用した農作物の栽培）による土耕のベビーリーフ（野菜の幼葉を8種類程度混合したサラダ用袋詰め野菜）栽培を中心とした農工連携の研究を行っている．本報告では，野菜栽培の土作り，播種，生育，収穫などの工程を分離し，外段取り化によりサイクルタイム短縮を図るベビーリーフの栽培システムについて報告する．